バル・デ・ボイ(Vall de Boi, ボイ渓谷)は、スペインのカタルーニャ州リェイダ県にある狭く側面の切り立った谷である。ピレネー山脈の稜線に当たるアールタ・リバゴールサ郡の北東端に位置し、この地方の自治体としては最大のものである。中心的な町はバルエラ(Barruera)。 この渓谷は9つの初期ロマネスク様式の聖堂群でよく知られており、ヨーロッパでも特にロマネスク建築が密集した地域を構成している。そのため、2000年11月30日にユネスコの世界遺産に登録された。 また、ピレネー山脈で最も標高の高いスキー・リゾートがこの渓谷のボイ=タウル(Boi-Taull)にあり、渓谷北東部はアイグエストルテス・イ・エスタニ・デ・サント・マウリシ国立公園(Aiguestortes i Estany de Sant Maurici National Park)に隣接している。 ムーア人によるスペイン占領は、ピレネー山脈にあるこの標高の高い渓谷を貫くには至らなかった。この地方での最初のキリスト教集落は、9世紀に成立した。その地方のcountsは、名目上支配していたフランク王国の領主たちからほとんど注意を払われていなかった。人口は大半がバスク人だった。